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2008年11月
2008年11月15日、奈良県奈良市の東大寺二月堂から撮影した生駒山.
奈良市を訪れた方はお分かりだろうと思うが、東大寺は市街地の東のはずれにある.その東側に位置する二月堂の舞台からは真直に平城京が望むことができる.
東大寺金堂(大仏殿)は西に戒壇院、東に二月堂、三月堂という主要な建築物が一列に並び、その延長線上に平城京南部が並ぶ構成だからだが、その先に位置するのが生駒山である.
一見、偶然のように思われるが、そうではないだろう.
東大寺は春日山(三笠山)を背負っている.そして、春日山は「続日本書紀」和銅元年二月戊寅の元明天皇の平城遷都の詔に「方今、平城之地、四禽叶図、三山作鎮、亀筮並従.宜建都邑(この平城の地は玄武、青龍、朱雀、白虎の四禽のそろう地であり、三山の鎮める地であると占われる.ここに都を造るべし)」とよまれた三山の1つである.
では、三山の残る2山は何かと言うと、平城(なら)山と生駒山なのである.
青龍、白虎の象徴とも捉えられた三笠、生駒の両山を結ぶ線上に東大寺の配置が置かれたからだと思うからである.
11月26日
愛宕山.
あまり知られていないと思うが、標高924mの愛宕山は京都市内では一番高い山であり、比叡山の848mより少し高い.
ただ、比叡山は急峻なカーヴを描いていていかにも高そうに見えるが、愛宕山は緩やかなそれであり、そのような気配が見られないというだけだ.
したがって、その山容はきわめて優しげなのだが、火伏せの神として知られる愛宕神社が山頂に祀られている宗教色の濃い山であり、戦時中にケーブル・カーが撤去された関係で登るにはかなり大変なようである.
ただ、遠くから眺めている分には穏やかな気分にしてもらえるのだが、山頂にある瘤状の隆起が何か楽しい.
何でも、比叡山と背比べをした際に敗れた比叡山に殴られてできた瘤だそうで、なかなかに山と言うのも大変だと思う.
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