Ibis.アイビス.イビス.The Naval Data Base:近代世界艦船事典The Encyclopedia of World ,Modern Warships.

Ibis.　　アイビス.イビス.

A wading bird related to the heron.

コウノトリ(鸛)目Ciconiiformesトキ科Threskiornithidae or Plataleidaeトキ亜科Threskiornithinaeの鳥類の総称.

トキ科はトキ亜科とヘラサギ(箆鷺)亜科Plataleinaeからなり､トキ亜科はシロトキ(白朱鷺)属Eudocimus､サカツラトキ(酒面朱鷺)属Phimosus､ブロンズトキ属Plegadis､キバシトキ(黄嘴朱鷺)属Cercibis､カオグロトキ(顔黒朱鷺)属Theristicus､アオアシトキ(青脚朱鷺)属Mesembrinbis､ハイイロトキ(灰色朱鷺)属Harpiprion､イボトキ(疣朱鷺)属Bostrychia､マダガスカルトキ(マダガスカル朱鷺)属Lophotibis､クロトキ(黒朱鷺)属Threskiornis､ハゲトキ(禿朱鷺)属Geronticus､アカアシトキ(赤脚朱鷺)属Pseudibisとトキ属Nipponiaの13属28種からなる.

全体にサギ(鷺)に似るが､下方に湾曲した長い嘴を持ち､その上面に溝状の鼻孔を有する比較的大型の水鳥で､羽色は白､褐色､黒等があり､顔面部の皮膚が裸出しているものが多い.

アフリカ北西部のモロッコの山地の断崖に営巣するホオアカトキ(頬赤朱鷺､northern bald ibis､haermit ibis)Geronticus eremitaのように乾燥地に住むものもあるが､多くは熱帯から亜熱帯､一部は温帯の湿地帯に群生し集団で樹上や葦原に営巣する.

採食を視覚に頼るサギと異なり､トキは嘴の触覚に頼っており､これを水中で動かしたり､泥の中に差し込んで小動物を補食している.

このため､水中透明度の低い泥地や熱帯の濁った水辺でも生息できる反面､地表にいる動物や泳ぎ回る魚を素早く捕らえるということが難しく､生活環境の悪化に対応しにくいことから､減少あるいは絶滅の方向に向かっているものが多い.

ウスリー地方､中国､朝鮮半島､日本等にはトキ(朱鷺)Nipponia nippon(Japanese Crested Ibis)が生息するが1981佐渡のトキ保護センターに残っていた最後の5匹が保護されて日本産の野生のトキは姿を消し､これも95最後のオスの死により絶滅した.

古代エジプトでは豊穣をもたらすナイル川の氾濫期の頃に渡ってきたことから神聖視され､その関係で殺生を禁じられており､ヘロドトスはその著｢歴史｣(vol2/75-6)の中で､トキはアラビアから春になるとエジプトに飛んでくる翼のある蛇を国の入り口で撃退すると書いている.

このトキは､エジプトでヘブと呼ばれたアフリカクロトキ(コシグロトキ)Th.aethiopicusのことで､嘴を突っ込んで餌を捜す動作が書生の文字を書く動作に似ており､人間が不明の世界から知識を掴み取る事に例えて､トキの頭とヒヒの体を持つ知恵の神トトにまで神格化され､また､湾曲した嘴が三日月を連想することから､トトは月の神となり､月を見て日数を数えることから時の神にもなった.

この事から､ギリシャ語でθρηκοζ(神聖な)ορνιζ(鳥)を意味する語が学名となり､英語でアフリカクロトキを意味するsacred ibisも「神聖なトキ」を意味する.

Ibisと言う語はエジプト語でトキを意味するhbjがラテン語化したもので､和名は古語のツキが変化してトキとなったものだが､ツキの由来についてはよく分からない.

Down

アイビス.Ibis.

英語.[生物]トキ(朱鷺).

北アメリカにはメキシコ湾沿岸にブロンズトキ(Glossy Ibis)Plegadis falcinellus､シロトキ(White Ibis)Eudocimus albus､西部にカオジロテリトキ(White-faced Ibis)が生息するが､アメリカではibisというとトキに近いコウノトリ科､特に(アメリカ)トキコウ(朱鷺鸛､Wood Ibis)Mycteria americanaを指すことが多い.

イギリスには生息しておらず､オーストラリアにはアカアシクロトキPseudibis papillosaやムギワラトキCarphibis spinicollisが生息しており､バッタを好んで食べることから益鳥とされる.

→イビス.